蝶と蜘蛛2
だんだんと紫の体から体温が奪われていく。

紅「ねえ、その子をどうするの?あなた、その子を助けられるの?」

楽しそうに、だけどどこか切なそうに俺を見つめてくる。

蘭「俺の力を全て使ってでも・・・」

助けて見せる。

そう言おうとした瞬間紅がすっと俺の指に口を添える。

そしてそっと俺に口づける。

蘭「え?」

紅「あなたに過去に口づけた女性はこの世物のではないのね。」

蘭「なぜそれを・・・・」

紅「私の力の一つよ。過去詠み。」

蘭「過去、詠み・・・」

紅「ええ。過去の事情がぜえんぶ見えてしまう力よ」

そういって彼女はそっと自分の胸に手を当てる。
< 16 / 18 >

この作品をシェア

pagetop