その指に触れて
「隠してたの? 頭いいこと」

「隠してたわけじゃないよ。万梨ちゃん、知らないようだったから言う必要ないと思って」

「自覚してんだ」

「いや、だってさ……」

「別にいいけど。そういう遥斗、嫌いじゃないし」

「え?」


遥斗の腕を掴んで、こちらに引き寄せる。


間髪入れる隙を与えず、あたしは遥斗に唇を重ねた。


遥斗の方が背が高いから上を向けた首が疲れてすぐに唇を離すと、遥斗は目を見開いてあたしを見ていた。


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