その指に触れて
「好きって気持ちは突発的なものなのよ。それをその瞬間伝えないでいつ伝えるのよ?」

「あの、万梨ちゃん、言ってることはいいことなんだけど……」

「いつどこで告白しようって決めていざ告白しても、その時にはもう好きじゃないことだってあるの。そんな告白をするくらいなら、突然告白した方がずっといい」

「ま、万梨ちゃん、ちょっと落ち着いて、ねっ?」

「これが落ち着いていられるかあっ!」


あたしが再び遥斗の胸ぐらを掴むと、「ひええええっ」と情けない声が遥斗の口から漏れた。


「あ、やっぱり好きじゃないかも」


遥斗から顔を背けて天井を眺める。


やっぱり草食系はなー……。


「は、早っ。万梨ちゃん、もしかして今までそんな人生送ってきたの?」

「あんたにあたしの人生詮索される筋合いないんだけど」

「す、すみません……」


……ちょっと急すぎたかな。


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