その指に触れて
「後でまとめてもらう方がいいから」


うん、ここのタピオカ、今日もおいしい。


「ああ、それは確実に俺の財布を破綻させようとしてるでしょ……」

「あたし、そこまで悪い人じゃないよ。これは前払いね。一週間分」

「は?」

「あたし、あと一週間頑張るから。残りの三週間、モデル頑張れたらその時はよろしく」

「万梨ちゃん、俺、意味がよく……」


ストローの先を持ち上げてカップの中のタピオカ目掛けて刺す。そしてタピオカを吸い上げる。


「タピオカうめえ~」

「男みたいだよ、万梨ちゃん……」


いちいち細かい男だな、こいつ。


ストローを口にくわえながら横目で睨み付けたら、遥斗が首を傾げていた。


< 62 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop