この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

妖艶に腰を振りながら、雑然としたデスクの間を突っ切って行く女性。


一番奥にある薄いパネルで仕切られた部屋のドアを軽くノックするとドアを開ける。


《リゾート開発営業部 第三フロア部長室》


「部長、お待ちかねの神埼さんが出社しました」


なんかその言い方トゲがあるなぁ……


「ご苦労さん、君はもう戻っていいよ」


大きなデスクに座り、顔を上げることなくそう言った銀を睨みつけてる女性。


えっ? 何? どういうこと?


「分かりました。失礼します」


女性が部屋を出る瞬間、凄い目で睨まれた。


はぁ? なんで私があんな目で見られなくちゃいけないの? あったまくるなぁ~もぅー!


プリプリしながら前を向くとそこには……


「初日から遅刻とは、いい度胸してるな」


コイツのせいだ。


「必死で走って来たんだよ。会社のビルに入った時は、まだ10分前だったのに……営業部って名の付く部屋がやたら多くて、どの営業部なのか分かんなくて……

営業部って、こんなに必要あるの?」


私の目の前で、ふてぶてしく頬杖ついてるコイツが……


「会社のせいにするな! 普通、新人なら30分前には出社してるもんだろ?」


男性と付き合おうと思うたび私の頭の中に現れる。


「そんなこと、聞いてません」


別れた後まで私を苦しめる悪魔の様な男。


「聞いてなくても常識だろ?」


コイツのせいで私は6年間も"処女"なんだ!


でも、銀のことが好きだからじゃない! 断じて、それはありえない!


絶対に……



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