この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

朝っぱらから大恥かいた。


そうよ! 悪い? 華を妊娠してから、えっちなんてシてないよ!


モテなかったワケじゃない。自分で言うのもなんだけど、私、結構イケてる方だと思う。


付き合って欲しいと告られたことだって1回や2回じゃない。でも、どうしても、その気になれなかった……


その理由は……






カツカツカツ……


ワックスが効いた廊下をヒールの音を響かせながら右往左往。出勤時間の9時は、とうに過ぎてる。


《リゾート開発営業部 第三フロア》


「こ、ここだぁ!」


バターン!


「おはようございますー! 遅れてすみませ……んっ?」


うわっ! なんだこれ? 凄いいっぱい人が居る。


この会社お得意のだだっ広いオフィスに、ザッと見渡しただけでも80人は居るであろうスーツ姿の社員たち。その160個の目ん玉が一斉に私を見た。


「あわわわっ……」


入口で挙動不審全開でオロオロしていたら、20代後半と思われる凄い美人さんが声を掛けてきた。


「神埼美衣芽さんですね? タイムカードを押したらコチラに来て下さい」


ユルフワの綺麗なカールをなびかせ、冷たく事務的に発せられた言葉。


私が一番苦手とするタイプの女だ。
 

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