この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
落ち着け私。シカトしろ! 取り乱した姿をコイツに見られたくない。
「え~神埼美衣芽さんですね? 一応、一通り質問させて下さい」
「あ、はい」
左に座ってるバーコード頭の面接官に話し掛けられ正気を取り戻した。
「帰国子女ということですが、日本語は大丈夫ですか?」
「はっ? きこく……しじょ?」
「この履歴書には、小学校から高校までホンジュラス共和国在住とありますが?」
「ホ、ホ、ホンジュラス?」
なんだそれ? どこにあるんだホンジュラス共和国って?
「父親が外交官の為、その後イギリスに移り、大学はオックスフォードだったんですね?」
「オ、オ、オックスフォード?」
あ! その大学は聞いたことある。私とは一番縁遠いおりこうさん達が行く大学。なんで私がそんな外国の学校に行ってたことになってるの?
私は生まれてこの方、本州から出たことないし、父親は3歳の時に失踪して行方不明
大学どころか高校中退なんだけど……
その履歴書、私のじゃない。
「あのぉ~それ……」
履歴書の経歴の間違いを指摘しようと身を乗り出した時だった。
「もういいだろ? 採用決定!」
「ギョギョッ!」
「コイツは俺が留学してた時の知り合いだ。身元は俺が保証する」
「はぁ?」
冗談じゃない! アンタに保証なんてされたくないよ!