かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
おばあちゃんとのわだかまりが徐々になくなっていき、長年抱えていたものが肩から下りたお母さんは、何かが吹っ切れたように明るく、とても生き生きしている。

おばあちゃんもそれは似ていて、民宿の現状は厳しいものではあるものの、ハリや活気が出てきて、悲観することはほとんどなくなった。

けれど2人とも、やけに間宮さんとの仲を探るような言動や行動を取るようになってしまい、お母さんは特に油断がならない。


「お昼はひやむぎにするから、間宮君呼んできてもらえる? 天気予報なんてそう簡単に変わらないんだし、それくらいいいでしょ? 伸びないうちに食べないと美味しくないしね」


鍋を火にかけながら、お母さんは顔だけ少し振り返って指令を出してくる。

その顔つきや言っていることは真剣でもっともなのだけれど、あたしには分かるのだ。

間宮さんと少しでも接点を持たせようという、なんだか勘違いな気味なお母さんの、余計な気の回し方なのだと。


それに対して、この4日間で諦めたあたしは、適当に「んー」と返事をして2階に上がる。

お母さんの言う通り、天気予報ばかり見ていてもそう簡単に予報が変わることはない。
 
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