かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
あたしたちは、たったの17歳だ。

いくら親に反発して飛び出していっても、帰る場所は、結局1つしかなく、どんなにあがいて抜け出そうとしても、“17歳の子どもだ”という現実からは、けして逃れられなかった。

子どもで青い。

それが、今のあたしたちだ。


その現実を知った今日という日の出来事を、今はまだ、納得できるところまで消化しきれていないとは思うけれど、いつか、今の気持ちが年齢に追いついたときには、笑い話にできたらいいな、そう、あたしは思う。

例えば、成人を迎えて、お祝いにお酒を飲んでいるときとか、ハルと香ちゃんが結婚することになって、その結婚式のときとか……。

その場には間宮さんもいてくれたら嬉しいのだけれど、さすがにそこまでの強制はできないなと、飛躍しすぎな思考回路を止める。


間宮さんは、あたしに言う。

“今までお前につき合ってきたのは、ただの気まぐれだ”、“俺たちは、民宿の人間とその客、という関係だということを忘れるな”、と。

今日のことも、間宮さんにとっては、ただの気まぐれで、そのほか、少しずつ秘密を打ち明けてくれているのも、きっと気まぐれなのだ。


……そう思うほうが、楽だ。
 
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