かけぬける青空は、きっと君とつながっている
全部で15本。
言われた通り等間隔に打ち上げ花火を並べ終わると、吹き出た汗がこめかみを伝っていった。
「お待たせしました、間宮さん。こんな感じで大丈夫でしょうか?」
「ま、そんなもんだな」
そ、そうですか……。
自分ではなかなか上手に並べられたと満足していただけに、若干落ち込んでしまう。
けれど。
まだまだか、と反省していると、素っ気ない返事とは反対にペットボトルが飛んでくる。
かろうじてそれをキャッチしたあたしは、入れ替わるようにして近づいてくる間宮さんとペットボトルを交互に見つめるだけ。
……ええと、持っておけ、ということ?
「飲めば」
すると、面倒くさそうに間宮さん。
ああ……、飲んでもいいぞって、そういう意味で投げてくれたのか。
間宮さんが着火の準備を始めたため、あたしは今まで彼が寄りかかっていた場所に背中を預けて、その様子を見守ることにした。
昼間に花火をしようだなんて変わったことをするんだなぁ、とは思う。
けれど、それには何か特別な理由がありそうな気がするのは、あたしの思い違いだろうか。
花火の輪の中に入って黙々と火をつけていく姿は、なんだかとても……寂しげだ。