かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
親父はそう言い、無意識なのだろう、小さく息をはきながらネクタイを緩めた。

息が詰まる話だ、無理もない、と思う。

すると、秀斗の死に涙を流しながら話を聞いていた母さんが、ひとつの疑問を口にした。


「……でも、どうして警察は、航じゃなく、家のほうやお父さんに連絡をよこしたのかしら。航の携帯の番号なら、秀斗君の携帯にも登録されているはずでしょう? おかしいわ」

「そういえば、そうだ。どうして俺に真っ先に連絡が来なかったんだよ、親父」


母さんが指摘した部分には、確かに俺も腑に落ちなかったため、親父に視線を投げる。

そうすると親父は、ワイシャツのボタンを数個外し、さらに首回りを緩めてから言う。


「遺書に、航には連絡をしないでほしい、と書いてあったそうだ。航は何も知らないで大学生活を送り、普通に生きてほしい、と」

「なんだよ、それ……」

「しかし、やはり警察としては連絡をしないわけにはいかなかったと、電話をよこしてくださった警察の方は言っていた。秀斗君の意向には背くことになるが、父さんも、それでよかったと思う。秀斗君だって、遺書に書いた通りになるとは思っていなかっただろう」

「……」
 
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