かけぬける青空は、きっと君とつながっている
重苦しい空気が漂いはじめたところで、場を取り繕うように姉が口を挟み、両親は、今日の目的はそれだったと思い出したような顔をした。
父親と姉と頷き合った母親は、立ち上がり、隣の部屋まで行って、遺書を取ってくる。
そうしてテーブルの上に置かれたのは、白い封筒で、表には『遺書』と、見間違うはずがない秀斗の字で、そう書いてあった。
仲間たちでテストの点数を見せ合ったことが何度もあり、しかも秀斗の解答はどれも面白おかしいものだったため、よく覚えている。
「どうぞ、読んでください。よかったら、もらって頂いても構いません。私たちはコピーを取ってありますし、秀斗の形見だと思って」
「そんな、とんでもない……」
父親は、すす、と俺の前に封筒を差し出しながら言ったが、遺書をもらってもいいと言われるとは思ってもいなかった俺は、遠慮でもなんでもなく、とっさにそう口にする。
しかし父親は、俺を見てほんの少しだけ表情を柔らかくさせると、こう言うのだ。
「遺書の中身は、ほとんどが君に宛てられたものだった。秀斗にとって、君や仲間たちは本当にかけがえのないものだったんだろうということがよく分かる遺書だよ。もらってくれと強制はできないが、私たちの間では、君に持っていてもらえたらということで話はついている」