かけぬける青空は、きっと君とつながっている
おそらく間宮さんは、人と深く関わりを持つことを良しとしておらず、孤独になることで、それを自分への戒めとしているのだろうと思う。
けれど、夏の間の1ヶ月で、ハルや香ちゃん、おばあちゃん、お母さん、そしてあたしと意図せず深く関わりを持つこととなった。
それが、そもそもの原因だ。
悲しく孤独で、ひどくひたむきな決意を固めて旅に出た間宮さんの心を変化させ、大いに戸惑わせることになった原因だったのだ。
結果的に、いい変化だったとも、悪い変化だったとも、あたしには言い切ることはできない。
ただ、あたし個人のことに限定して言えば、確実にいい変化だったと言い切れるし、もしも期待してもいいのなら、間宮さんにもそうだったらいいな、と、思わずにはいられなかった。
再びあたしの手の中に収まっている写真立てを眺めながら、そう、思いを馳せる。
「……おい、なんか言えよ。黙り込むな」
すると、間宮さんが口を開く。
その声は、いつもの不機嫌で平淡な声だ。
自分で思っていたより長く考え込んでしまっていたようで、はっとして顔を上げると、目に飛び込んできたのは、しかし声とは反対の不安げに瞳を揺らしている間宮さんの顔だった。