かけぬける青空は、きっと君とつながっている
仲間たちとの約束を果たそう、なんていう正義感に溢れた旅じゃない、自分への戒めと、仲間たちの追悼のために、日本地図を広げて適当に指を指して行き先を決めただけだったんだぜ、と、間宮さんは自嘲気味に笑う。
そんな間宮さんを見ていると、間宮さん自身も自分の気持ちの変化に戸惑っている様子が感じられ、それを持て余しているようにも見えた。
こんなはずじゃなかったのに、と言っているようにも聞こえたそれは、あたしの心の奥深くの部分に、しっとりと刻み込まれる。
いろいろな意味が含まれていたと思う。
1人だけ生き残った自分が誰かに心を開いたりしていいのだろうか、誰かのことを知りたいと思ってもいいのだろうか、というような、戒めに反する心の変化を悔いている、という意味。
そういう自分を恥じたり、幻滅したり、意志の弱さを情けないと思ったり……という意味。
でも、そろそろ、震災や仲間たちの死を自分なりに整理をしはじめてもいいかもしれない、苦しみも後悔も嫌というほど味わったのだから、そろそろ過去の呪縛から解放されてもいかもしれない、というような、淡い期待感も、もしかしたら感じていたのかもしれない。