かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
パーソナリティーなんだから泣いちゃダメ、ちゃんと伝えなきゃと張っていた気がとたんに緩んでしまい、とめどなく涙が溢れてきたのだ。


「菜月ちゃん……っ!よく頑張ったわ。本当に本当に、菜月ちゃんはよく頑張ってくれたわ」

「し、塩田さん……っ」

「ふふっ、よかったわね。今日の放送の内容は聞かずに30分を使わせてほしい、って頼み込んできたのは、こういうことだったの……。やっと待ち人来たる、だったのね、菜月ちゃん」

「はい……。やっと会えました」


ブースの中に飛び込んできてくれた塩田さんの胸を借り、ひとしきり泣かせてもらう。

しばらく泣いていると、そのうち、何に泣いているのか分からなくなってしまって、塩田さんと抱き合いながら、笑えてきてしまった。

けれど、番組の内容を変更すること了承してくれ、あたしが間宮さんと再会できたことを自分のことのように喜んでくれた塩田さんの目にも涙が光っていて、それがどうしようもなく、またあたしの涙腺を緩めるのだ。


リスナーさんからの反応は、正直なところ怖い気持ちがほとんどで、生々しい部分もあったから、気分を害されたり、小さなお子さんには聞かせたくないと感じさせてしまったかもしれないというのが、すごく気がかりではある。
 
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