かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
あたしだって最近の音楽も聞くし、アイドルも好きだし、いつも落語や漫談ばかりを好んで聞いているわけではないのだけれど……。

間宮さんの中では、どうやら“少しズレてる女子高生”というイメージに落ち着いたらしい。


その日の晩。

おばあちゃんと遅めの夕飯を食べていると、あたしはふいに不思議な感覚にとらわれた。


会ってまだ1週間足らずで間宮さんのことを分かった気になる、というのは、すごくおこがましいことなのだけれど、間宮さんが笑ってくれると嬉しくて、もっともっと間宮さんが助かると思うことがしたくて。

できれば、間宮さんが抱えているものをほんの少しだけでもここに置いていってもらいたい。

そんなふうに思ったのだ。


手紙をもらってからずっとくすぶっていたハルへの気持ちにきちんと整理がつけられたのも、間宮さんがいてくれたおかげ。

それを言ったら、間宮さん本人は「別に俺、何もしてねぇし」なんて言うと思うけれど。

「ハルたち4人で花火大会に行かないか」と誘ったときの間宮さんの不器用すぎるほどの気遣いは、すごく温かかった。


この1週間での劇的な気持ちの変化に、自分でも戸惑っているのは確かで、名前もまだない。

けれど。

間宮さん、今日はゆっくり眠れるといいんだけどなぁ……と、気がつけば、間宮さんのことばかりが頭の中を占めていた。
 
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