俺様編集者に翻弄されています!

Chapter3

「後藤先生、それはどういう意味ですか?」


 悠里の言葉を代弁するように北村が言った。


「最近の氷室さん、なんだか心ここにあらずといった感じで、お仕事に集中できてないんじゃないかしら?」


「……というと?」


「原稿の修正にミスがあったり、締切日を間違えたり……私、心配で」

 わざとらしく眉尻を下げたエミリーの表情に、演技じみたものを感じる。


「まさか、氷室に限ってそんな凡ミスするはずがない」


 北村は顎に手をあてて首をかしげている。

エミリーは小さくため息をつくと、アイスコーヒーをストローでゆっくりかき混ぜながら言った。
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