紅 × 蒼







「蒼、朝食はいいの?」





紅が優しく聞いて来る。





もう、そんな声でさえ頭には残らない。






「蒼、蒼?」





分かってるよ。




ちゃんと聞いているから。






「いつになったら、出してもらえるの?」





小さな声で、聞いてみる。






「・・・・。」





紅の顔が歪むのが分かる。





「あなたの、その状態が直ってからよ。」






「私の状態・・・?」






私次第でここから出られる?







「余計な事は考えないで。 ひとまずはあなたがまた復帰できるようになるまでよ。」






あぁ、そういう事ね。









「分かってるでしょ? またやるのよ。」








地獄がまた始まる。













< 30 / 34 >

この作品をシェア

pagetop