紅 × 蒼
「蒼、朝食はいいの?」
紅が優しく聞いて来る。
もう、そんな声でさえ頭には残らない。
「蒼、蒼?」
分かってるよ。
ちゃんと聞いているから。
「いつになったら、出してもらえるの?」
小さな声で、聞いてみる。
「・・・・。」
紅の顔が歪むのが分かる。
「あなたの、その状態が直ってからよ。」
「私の状態・・・?」
私次第でここから出られる?
「余計な事は考えないで。 ひとまずはあなたがまた復帰できるようになるまでよ。」
あぁ、そういう事ね。
「分かってるでしょ? またやるのよ。」
地獄がまた始まる。