きみのぼく

ここにきてもう半年が過ぎた。


ぼくはここもここの人たちも嫌いだ。


正直ここにぼくを連れてきた人を恨んでいる。


でも無力な僕にはここで生きていくしか道はないようだ。


毎朝早くにお父さんが仕事にやってきて朝ごはんをくれる。


食べてなんかやるもんか。


昼間は基本一人で日向ぼっこしたり、寝てたりぐうたらする。


何もしなくてもお腹って空くもんだな…


それに気付いてからはちゃんとご飯は食べるようにした。


大半は夕方またお父さんがきて遊んでくれたり、美優ちゃんと彰くんがきて一緒に近くを散歩したりする。


ねぇねぇは、まだあれから2、3度しかここにはこない。


ここは、どうやらお父さんの仕事場らしい。


だから今年高校受験のねぇねぇは、簡単にはここに来れないらしい。


でもたまに来てくれるねぇねぇは、ぼくが嫌な顔をすればするほど、迷惑そうな態度をとればとるほど、ぼくを強くでもどこか優しく抱きしめてくれる。


ねぇねぇが何を考えているのか、ぼくにはわからない。
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