僕が男になった理由

　｢琉依？どしたの？｣


　｢冬麻、あそこはお店だ…騒ぐなって言ったろ｣


　｢ごめんなさい…｣


　｢…でも｣


　｢でも？｣


　｢冬麻が怒ってくれたのは…嬉しかった…｣


　｢ぇ…｣


　｢ありがと｣


　｢琉依〜｣


　｢ほら、冬麻僕の買い物付き合え｣


　｢はい！喜んで！行こ行こ！ふふっ！｣


　｢…冬麻…歩き難いから腕貸せ｣


　｢はい！｣



　冬麻は腕で輪を作ってくれた。腕を通せってか。



　まぁいい。



　｢…こうか？｣



　ぎこちないが僕は冬麻の作った右腕の輪に左腕を通した。



　｢まるで本当にカップルだね〜｣


　｢ハイハイ｣


　｢ほら琉依あっち行こ｣



　…こうして歩いてる時僕はまだ気付いてなかった。


　冬麻に申し訳ないことをしてしまうってことを。











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