僕が男になった理由
薄暗い路地の中、僕の視界に広がったアンティーク雑貨のお店。
「…知らなかった…こんな所があるなんて…」
人生の大半を過ごしたはずの地元なのに…まだまだ知らない所があるなんて…。
「今日は思う存分楽しんでください」
「ありがとうございます…」
前を向いていた彼の顔が急に僕を見た。
今まで感じたことの無いくらい心拍数が上がっている。
薄暗い路地の中でお店のぼやけた明かりが彼の顔をほんのり照らしていた。
世の中にいる特別カッコいいと言われる顔でも、
冬麻みたいに特別可愛い訳でもない
不思議な雰囲気を持つ彼の優しい顔に
凄くドキドキした。
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