僕が男になった理由



 「さぁ、入りましょう」


 「はい…」



 この繋いでる手が



 俯きかけた顔が



 ピアス穴のない耳が



 僕の全身が発火した様に熱を帯びていた。



 「琉依はどんなのが好きなのかな?」


 「…僕は…ふわふわし過ぎないゴシック系のフリルの付いた感じが好き」


 「西洋な感じ…かな」


 「おとぎ話に出てくる華やかな魔女の様に黒い…だけど華やかなモノ」


 「そっか〜」



 僕の趣味は今まで冬麻しか理解してくれなかったのに。



 彼は僕の全てを受け入れてくれてる様だった。



 「琉依ならこれが似合うと思う」


 「これ…」



 黒のレースとフリルにロザリオと薔薇が付いた首輪だった。



 良く好きなものがわかったな…











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