和久井さん、さんじょー

会長の事情。





はい、和久井華です。
なんやかんやごにゃごにゃしてわかんません。

えと、今いる場所は…生徒会室です。
なんやかんやで生徒会役員とは仲良くなりました。…他は、ダメだけど。
クラスにもなじめてないし、でも男子はよく話し掛けてくれる。女子は…いつも睨まれるなあ。
私、なんかした?んー…
…なので普段、ここにいます。
と、いうか。想がここにいろ、ってうるさいから…。
教室にいると男どもがなんとかかんとか…意味わかんない。
ていうか、私がいると生徒会役員の人の邪魔になるよ、絶対。

今日は、杏樹、静、海斗…私の四人。
紫苑と星羅はいつもこない。
紫苑は
「いかねぇ」
の一点張り。
星羅は
「今日はショッピングの日!あ、華ちゃん!一緒にいかない?今日はね…特…ブツブツ…」
と、
聞いてるとつれてかれるのですぐ避難します。

「…ふぅ、」

…杏樹がため息ついてるよ。

「大丈夫?紅茶でも注ぐ?」

「ありがとう、大丈夫よ」

「そう、」

…大丈夫じゃないでしょ。
ろくに仕事してるのは杏樹くらい。
静は、お菓子食べてるし
海斗は、相変わらず読書…。

「少し、手伝うわよ?」

「いや、大丈夫よ」

、本当に頑固なんだから…。

「…少しは休憩なさい」

「ええ。大丈夫。」

…なにが「大丈夫」よ、
疲れきってる。

「…」

私が無言で見つめると、その視線に気付いた杏樹はニコッと笑う。

「ごめんなさいね、いつもこんな感じなの。もう慣れてるわ、心配しないで。」

杏樹が一瞬、冷たい表情をした気がした。
私に…、かまうなと言わんばかりに。
これ以上彼女にストレスは与えてはならない、と思った私は、説得を諦めた。

「…わかったわ、でも紅茶はいれるわね。」

「…大丈夫、いいわ」

「違う、これは私が飲みたかったの。ついでよ、ついで。」

彼女はクスッと笑った。
杏樹のいつもの笑みだ…

「そう、じゃあよろしくね」

「ええ」


彼女はこの人見知り…
いや、優しさを拒否しているのだろうか?

彼女には何かある。という確信を今日、この日に思った。
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