TABOO†あなたに溶かされて…~秘密の恋
大丈夫です、
そう言おうにも寒さの余り声が出ない。
「締め出されてるんですよね」
私はコクリと頷いた。
「そこの室外機に昇って、こっちに移って来れませんか?」
私は隣の部屋の男を見た。
今までに何度か見かけた事がある。
人目を惹くような容姿ではないけど、清潔感があって真面目そうな人。
「俺が補助しますから」
男が手を差し伸べる。
私はためらわずその手を掴んだ。
何も知らない相手なのに、不思議と怖いとは思わなかった。