TABOO†あなたに溶かされて…~秘密の恋
ここが三階だということは頭の隅に追いやり、私は室外機を踏み台にしてベランダの手すりに足をかける。
男の手を握りしめ、パーテーションを跨ぐようにして隣の部屋のベランダに無事着地した。
「寒かったでしょう」
男に手を引かれて部屋に入る。
居心地の良さそうなシンプルなインテリア。
男に暖房器具の前に座らされた私は、膝を抱えて震えていた。
男は私を後ろからブランケットで包みこんだ。
「声をかけるかどうか迷ったけど…
君が心配だ」
薄い壁一枚。
今までのことは筒抜けだったみたい。
「差し出がましいようだけど、俺では君の力になれない?」
その誠実な温かい声に、凍てついていた涙が零れ落ちた。