忘れ去られたキオク




─そう考えると、9年の月日っていうのは人を変えるんだねー。



最初はエルネストのことをムカつく奴だと思ってたのに。



9年間、あたしのノロケ話に付き合ってくれた今となってはいい友達じゃん!!



エルネストという親友もできて、翔平という恋人もできて、あたしって幸せ者だー。



心中でそんなことを考えていたせいか、無意識にニヤけてしまう。



突然、目の前の噴水が音をたてて大きく噴き出した。



そしてサーカス団の人達がやってきて、周りを一層賑やかにさせる。


あたしの今の幸せな気持ちを表しているかのようで嬉しくなって、しばらくその場に立っていた。





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