忘れ去られたキオク




ムカついたあたしは、エルネストの脇を通りすぎて、全速力で走った。



──ここに、翔平はいる。


そう思って立ち止まったところは、教会の隣の家で。



なんの戸惑いもなく、ドアを開けると、そこには愛しい翔平の姿。



翔平がいるなら、こんな見知らぬ街でも過ごしてやろう、と心に決めてエルネストの元に戻った。



噴水広場に戻ると、エルネストが頭を抱えて立っていた。







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