死神の見習い

♪〜♪〜

(202号室の中井さん点滴の時間です。お部屋にお戻り下さい)

……ここは403号室か…違うなぁ
えぇっと608…608は、っと…

人がまばらな廊下を部屋番号を探しながら歩く俺の後ろから声がかけられる


｢お兄ちゃん。お兄ちゃんって…お化け？｣


……やっぱりさっきの子供や

ため息をついて答えた


<お化けちゃうわ。608号室行きたいんや。田代慎也って人に用があんねん>


少し俺を見た子供は車椅子の向きをクルッと変える


｢ふぅーん…608号室…

　　　　　　　　こっちだよ｣

<あっ!?おい!?なぁて!!>


呼び止める俺を無視して車椅子を進める子供の後ろを、俺は黙ってついて行くことにした