死神の見習い
「僕、死ぬんでしょ?」

<ぉあ?なんでや>


不意に話し掛ける慎也に面倒臭そうに答える俺を見て慎也はニコリと笑う


「だって、お兄ちゃんこの暑さで真っ黒なマントだし…死神でしょ?聞いたことあるんだ…死にそうな人は見える時があるって…」

<アホ。そんな噂は知らん、俺は死神さんちゃうわ。正確には死神さんのお手伝いっちゅうやつや>


慎也は不思議そうに俺をみて聞いてきた


「お手伝い?どうしてお手伝いなの?」

<俺は元々生きとってん。ヘマして急に死んでもて、本来死ぬ時まで死神さんのお手伝いで人生経験せぇって閻魔さんにいわれとん>


なんでか分からんけどペラペラと喋る俺、威圧感が無いんかもしれん…


「自分で死んじゃったの?」

<アホ。自殺はずーっと死に続けんならんねん。俺はちゃうわ>
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