オオカミとお姫様
「桜井、ウチの部に入らないか?」

「…えっ?」

「さっきの試合、すごかったじゃないか。ウチのエースと対等に張り合ってたし。それでぜひウチに入部してほしいなと」

「玲央、すごいじゃないですかっ」

どこがだよ。
エースは少し手加減してただけだ。
久しぶりの俺に合わせて。
あの人が本気を出してたらきっとボール奪われてた。

「別にすごくねぇよ。つか、俺そういうのやるつもりないんで」

「えっ?やってみたらいいじゃないですか」

無垢な笑顔で問いかけられる。
その問いかけに迷う。

「やんねぇよ。行くぞ」

迷いを断ち切り、詩音を連れ出した。
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