オオカミとお姫様
早く学校から離れたくて早足になる。
無意識に力がこもる。


「…っ!!」

俺、何してんだ。
離れたい感情に支配されて、詩音の事ちゃんと考えてなかった。
こんなに早足で歩いて…

「…れっ玲央?」

「何?」

強張る表情。
俺、今怖い…?

「おっ怒ってます?」

「怒ってねぇよ!つか、もうサッカーしないから」

「えっ?」

むしゃくしゃする。
つか、詩音にあたることねぇのにさ。
俺はなんて幼稚な事してんだよ…

また早足になる。
詩音が必死に追いつこうとしてる。

「ほっ本当にもうサッカーしないんですか?」

詩音はサッカーしてほしいみたいだ。
俺だって、別に嫌なわけじゃないんだ。
嫌なわけじゃ…

「しねぇよ。部活なんてただルールで縛りつけようとしてくるだけじゃんか。違うか?」

「…」

上手く表現できない。
詩音は黙り込んでしまった。

今言ったこともそうだけど、違う。
そういう事が言いたかったんじゃなくて…
考えたけどうまく言葉に表現できるものは思いつかなかった。
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