オオカミとお姫様
あとはいつも通りに詩音の家まで送っていった。
あれっきり、何を話せばいいのかわからなくて無言。
何を話しても途切れる気がしたから。

そのうち詩音の家の前に。

「じゃっじゃあ…その…」

戸惑っている。
いつもなら『また明日』って言うのに。
さっきの事が原因なのか?
さっきの一言が詩音を戸惑わせてるのか?
明日だって学校行くよ?
詩音が来てくれるなら俺は…

「『また明日』、だろ?」

壊れ物を触るかのように優しく撫でた。

「そっそうですね。…また明日」

「あぁ」

笑顔で見送られた。
その笑顔が胸に刺さった。
< 44 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop