オオカミとお姫様
次の日


いつも通り学校へ。
最近分かってきた。詩音が学校に来る時間。
だからその10分前くらいに到着するようにしている。

…来たっ。

「おはよぉ…」

「おは…ようございます」

あくびをしながらの挨拶。
めずらしい。でもかわいい。
席に着いた。

…ん?
いつもと違う。

「元気ない」

「えっ?」

驚き顔でこっちを見る。
ん?
顔を近づけて確認する。
クマだ。

「…っ!?」

「…クマ、できてる」

クマのできている部分を優しくなぞる。
少しずつ熱を帯びてきている肌。
夜更かしでもしたか?
…いや、詩音はそういうタイプじゃない。
じゃあ…

「昨日、何考えてたの?」

「えっべっ別に何も…」

動揺してる。
聞かれたくないこと?

「このクマ、俺のせいでしょ?」

図星のようだ。
昨日俺があんなこと言ったから…
クマを優しく撫でる。
撫でて消えるならずっとこうしてたい。

「そっそれは…違っ」

詩音はそろそろ限界のようだ。
もっと触れていたかったけど。

「…フフッ、冗談だよ。夜更かしでもしてたんでしょ?女の子なんだから、クマなんか作るなよ」

夜更かしってことにしておいてやるよ。
それ以上、かわいい顔を誰にも見せたくないから。
ドキドキしていたのだろうか、胸を抑える詩音。
…かわいすぎだろっ!!
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