オオカミとお姫様
「…今日はここまでとする。各自着替えること」
「「はい!!」」
部活終わった。
今日のは少しハードだった。
「桜井、今日は少しハードだったろ?」
「え?あぁ…まぁ」
なんで俺に話しかけるの?
俺、あんたの事嫌いなんだけど。
あの時からずっと。
「そんな嫌そうな顔するなよ。昔からだな」
「あんたに言われる筋合いないんで。俺、あんたの事嫌いなんで」
「俺、桜井に嫌われてるんだ」
「嫌いですね、はい」
昔から嫌いだった。
中学の時からずっと。
なんでも大人ぶって、買い被ってて。
俺よりそつなくこなせるあいつが嫌いだった。
俺の醜いプライドってこともわかってる。
けど、あいつに負けるのは腹立たしかった。
いつだって余裕ぶって俺の上に立ってるあいつが。
「そんな風に言わなくてもいいじゃんか。俺は好きだよ、桜井の事」
「気持ち悪いから」
「マジか…。あ、お前に言っておかなきゃいけないことがある」
「なんすか?早く着替えたいんだけど」
「俺、詩音ちゃんの事好きになったっぽい」
「…は?」
「一応言っておいた方がいいかなって思って」
「なんで俺に言うの?」
「詩音ちゃんの事、好きでしょ」
「なっ…」
やっぱりこいつ、嫌いだ。
大嫌いだ!