アンラッキーなあたし
「あの、最近連絡を取ったりした方で、その方はあなたに何か助けを求めたようなのですが・・・」
気を取り直して言うと、

「あ…、一人、いる」

しばらく考えたあと、中田さんはようやく思い出したというふうに呟いた。

そう、それ!あたし!

「ええ、その方です。その方はあなたからの連絡を待ちわびているはずです!さあ、今夜にでもその方に…」

「あー。それはないです」

は?

あたしが言い終わる前に中田さんはきっぱりと言った。

「だって、その人、めっちゃブスですもん」

ぶ、ぶす?それも、めっちゃ?

中田さんは、さもおかしいというふうに腹を抱えて笑った。
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