アンラッキーなあたし

悪酔いの夜

「千葉さぁん、あんたのせいであたしはクビですよ、く・び！一体どうしてくれんですかぁ」

成り行きで千葉と居酒屋に来たあたしは、すきっ腹にビールをがんがん入れ、完全に悪酔いしていた。

「桜庭、お前がこんなに酒癖が悪かったとは…」

「はぁ？どうせあたしはブスですよ！チャッキーですよ！キル・ユー！」

割り箸を武器に千葉をどつき回すあたしは、化粧が完全にはがれていて、すっかり普段の桜庭さくらに戻っていた。それなに、今夜は饒舌だ。悲しいときほど言葉が余計に溢れてくるのはなぜなのだろう。

「そんなこと言うなよ。自分のことを嫌いになるようなことをさ」

「だって、だって、自分のこと大嫌いだもん！キル・ミー」

千葉は完全にどん引きしていた。それでもあたしは止まらない。いつもお茶淹れ係りとして使われていた千葉に気を使われるのは悪い気がしなかった。