アンラッキーなあたし
て、いうか、一体ここは何なのだ?

瞬もアユカも何も喋らない。しばらく黙っていたが、瞬がタバコを吸い終わるのを見計らって、あたしは、「あの…」と遠慮がちに声をかけた。

「あの、ここは一体…」

「ん?ああ、そうだ忘れてた」

瞬が素っ頓狂な声をあげた。

忘れてた?なんじゃそりゃ。呆気に取られるあたしには目もくれず、「アユカ、さくらに例の物見せてやってくれないか」と、瞬は言う。

例の物?

「あ、いっけなぁい!さくらちゃんごめんね」

アユカはわざとらしく顔をあげ、舐めていたチュッパチャップスを包み紙に戻すと、パタパタと別の部屋へ走って行き、また、パタパタと戻ってきた。

戻ってきたアユカの手には小箱が乗せられていた。アユカはあたしの前でその小箱を開き、

「どう?これ、きれいじゃない?」

と目を輝かせた。

箱の中身は、アユカが舐めていたチュッパチャップスぐらい大きな石がついた指輪だった。
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