アンラッキーなあたし
「え?えっと…。はい、きれいです」

その指輪はメロンソーダみたいな色をしたデカイ石の周りを、安っぽい輝きを放つ何かの石が散りばめられた、ナンセンスなデザインをしていた。

宝石には無縁のあたしだけれど、その指輪の石に価値などないことは一目瞭然だった。

「でしょう?これ、天然ダイヤとエメラルドなんだよぉ」

なのに、アユカが自慢げに言う。

はぁ?

あたしは思わずアユカを見つめ返した。

この子、頭大丈夫?ガラス玉を水晶と騙されて買ったあたしでも、この石がダイヤとエメラルドでないことがわかるというのに、本気で言っているのだろうか?

けど、アユカがあまりにも嬉しそうにそれ見せるので、あたしは何も言えなかった。

あたしには価値のないものだけれど、もしかしたら、アユカにとっては宝物かもしれない。
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