アンラッキーなあたし
「ごめんなさい」

カピバラさん改め、闘牛の勇気ある告白の答えは0,1秒の速さで返ってきた。どうやら立花ミズ菜は、気持ちすら受け取りたくなかったようだ。

「残念でしたね。でも、精一杯勇気を出した告白に、みなさん大きな拍手を送りましょう!」

どっと、会場中に拍手がわいた。おばちゃんの粋な計らいにより、カピバラさん改め、闘牛の身分不相応な告白は、武勇伝と化した。カピバラさん改め闘牛も照れ笑いを浮かべている。しかし、それじゃあ、あたしはどうなるのだろう?

だいたいにして、何が妥協も後悔もしたくないだ!どの口がそんな事を言いやがった!こっちの台詞だっちゅーの!

あたしは斜め横にいるカピバラさん改め闘牛をじろりと睨みつけた。やつはこちらを見ようともしない。

おのれ…。

公開処刑、決定である。ああ、カピバラなぞ信じたあたしがばかだったと、うなだれても時すでに遅し。

火事、起こってくれないかな?子供がいたずらして非常ベルならさないかな…。

しかし、願いは届かず、ついにあたしの番になってしまった。
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