アンラッキーなあたし
「ふぅん…。まぁ、いいわ。言いたい事はそれだけ。あまりケンカして、雰囲気悪くなったらいずらくなるし」」

そう言うと弥生はまたベッドに転がった。そしてすぐに心地よさそうな寝息をたてた。

トラウマで眠れないんじゃなかったんですかーー?

はぁ…。なんか面倒くさい子だな。あたしが千葉の事を好きだなんて有り得ないよ。うん。有り得ない…。

なのに、あたしは動揺していた。

そういや約束したっけ…?モトカノが戻ってきたら、あたしはここを出て行くって。

千葉は弥生が好き…。弥生だってそのうち、今の彼氏と別れるよね?そうなったらあたしは…。

こみ上げてくるものをぐっと堪える。

悲しいのは、この楽チン生活がなくなるからだ。別に千葉と離れるのが嫌なんじゃない。お金さえ貯まればこんなことすぐに出て行ってやるんだから。それに、千葉じゃなくても居候させてくれる人なら誰だって…。

それなのに、胸の中で膨らむモヤモヤは大きくなっていくばかりだ。

あたしは、千葉が好きなのだろうか?

わからなかった。占ったら、カードが全てを教えてくれるだろうか?
そっと起き上がり、タロットカードに手を伸ばしかけたけれどやめておいた。
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