アンラッキーなあたし
「千葉さんは嫌じゃないんですか?弥生ちゃんが彼氏と別れてない事」

あたしは知っていた。弥生が家を飛び出してきたはずの暴力男と連絡を取り合っていることも、他にも会っている男がいることも。

それでも千葉は許せるのだろうか? あたしは人と付き合った事ないけど、もしも好きな人がそんな事をしてたら辛いと思う。

「まぁ、嫌じゃないと言えば嘘になるけど、仕方ないよ。惚れたもん負けだからな」

それでも、好きなんだ。弥生のこと。

もう何も言えなかった。

「それに、彼氏だって暴力振るうような奴なんだろ?無理やり別れさして弥生に何かあったら嫌だし、俺、気長に待つよ。ほら、お前の占いでも出てたじゃん?俺と弥生はやり直す事ができるって。ちょっと半信半疑だったけど、実際、弥生が戻って来たわけだし、まんざらでもないかなぁ?って期待してんだ!」

「そうですか…。ならいいです。千葉さんが幸せならいいんです。」

あたしは残りのカレーをかきこんで、足早に席を立った。

なぜか、涙が滲んだ。
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