アンラッキーなあたし
なってほしくねーし!!

あたしは人形をぎりぎりと握りつぶした。

好きな人の幸せを願えるほど、あたしは大人じゃなないらしい。

ふんだ、ふんだ!こんなにあたしを好きにさせといて、処女奪っといて、自分は彼女とヨリ戻すなんて、むーかーつーくー!だいたいにして、ドラマや漫画の世界じゃないんだから、そんな簡単に2人の幸せを願えるかっつーの!

弥生に浮気されちまえ…。

あたしはひっそりとほくそ笑んだ。

これが振られ女の本音である。

ブスだろうが、美人だろうが、女の腹の中はどす黒いものなのだ。

「こいつめ、こいつめ!」

あたしは呪いの人形をがしがし踏んづけた。

「ふざけんな、千葉!あんな女に騙されやがって!ばかばか、バカ男!お前の友達詐欺師!」

お前のかあちゃんでべその替え歌まで歌った。

しかし、この、あたしの何気ない行動が、後々恐ろしい事件を引き起こす事になろうとは、この時は予想もしてなかった。

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