アンラッキーなあたし
こうなりゃ割り切っていくしかない。ルコ先生に紹介するだけして、気持ち悪かったら逃げればいいんだ。

あたしは気持ちを入れ替えて荷物を整理した。ここへ引っ越してから、あたしの荷物は何一つ増えていない。あんなに買いあさっていた開運グッズや不思議グッズすら買ってない。

あたし、幸せだったんだ。

未練がましく寝室を振り返ると、あたしはベッドを見つめた。

全ては、ここから始まったんだ。記憶にはないけれど、初めての人が千葉でよかった。順番は違ったけれど、好きな人にヴァージンを捧げられてよかった。

その時、コートのポケットに何か入っているのに気付いた。

あ、これは…。

捨てそびれていた呪いの人形だった。

はは…。あたし、これで千葉を呪おうとしてたんだっけ?それが今じゃ恋してるなんて、ちゃんちゃら可笑しい。

あたしは呪いの人形にそっとキスした。

千葉、弥生と幸せに…。

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