アンラッキーなあたし
最後の頼みの綱であるルコ先生にも見捨てられた。クビになってしまった。とうとう、全て失ってしまった。

あたしに残った物は、わずかな私物と小銭だけだ。

しかも、これまでの給料ももらっていないのに気付く。

でも…。今さらルコ先生の所に帰れない。

グルルル~。

落ち込んだ気持ちとは裏腹に、腹の虫は元気にうなり声をあげた。そういえば、昨日から水しか飲んでない。

野宿した公園へ戻ってくるやいなや、あたしはベンチに倒れた。

こんな時でもお腹はすくんだな…。

住む場所、仕事、借金の返済…。

考えなきゃならない事は山ほどあるのに、情け無い事に、浮かんでくるのは食べ物の事ばかりだ。

カツ丼
カレーライス
ハンバーガー
それとすき家の牛丼つゆだく…。

頭の中であたしの好物が浮かんでは消え、浮かんでは消えていく。

そういえば、千葉はどうしてるかな…。

千葉…。リアル、サヨナラ…。あたしは背後霊となって、あなたの側にいます。

最後に千葉の顔が浮かんで消えていった…。

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