アンラッキーなあたし
それでも、あたしは新しい自分に(てゆうか名前に)ちょっとだけ期待した。もしかしたら、名前が変わったことで運命も変わるのではないかと。

そう。俗に言う、姓名判断というやつである。

これまで運がなかったのは字画が悪かったのではないか?きっとそうだ。そうに違いない!だからその分、これからはきっとハッピーな人生を歩めるんだ!




…と、心の中で小躍りすること半年。

期待虚しく、あたしはやっぱりアンラッキーなままだった。

高校の入試では前日に食べたホタテフライに当たって腹を下し、ずいぶん遅くにやってきた初恋の相手はゲイ。財布は落す、盗まれる、ひったくられるの三拍子揃っているし、道を歩いているだけでガムか犬のうんこを踏む。或いは空から落とされる。空からと地上からの奇襲攻撃をくらった日も一度や二度じゃない。

細かいことをあげていったらきりがないのだけれど、あたしのこれまでの人生、いいことなんてまるでなかった。

そしてこれからもきっとそう。
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