アンラッキーなあたし
「もしもし?さくら?あんたちっとも実家によりつかないで。もう!元気にしてるの?」

「色々忙しくてさ。そっちこそ、どう?お義父さんも元気?」

さすがに、いきなり金を貸して欲しいとはいくら親子でも言えない。そう思い、当たり障りの無い話からせめ、様子をうかがった。

「すみれがね、この前英会話コンテストで入賞したのよ。新聞にも載ったんだけど、あんた新聞とってないわよね?いやね、この子、何でもできちゃって、一体誰に似たのかしら?」

最近の母は口を開けば妹の自慢話ばかりだ。

どうせ、あたしは自慢できるような娘ではありませんよ。

つい心の中で皮肉ってしまう。
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