《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』

「すごい!先輩。どんな手でおとしたんです? 全然色気もないのに!」
一言余計だった。でも、全てにおいて訂正なんかしなかった。

合コンにおいて、いらない駒扱いされたこととか、聞きたくもないイケメン苦労話を沢山聞かされたという情け無い話を誰が好んでするんだろうか? たぶん、私の立場ならみんなだってしないはずだ。

あのイケメン三浦といくとこまでいったってことにしてみてもいいじゃない。昨日の最悪な思い出を綺麗な思い出に少しくらい書き換えて自慢めいた話に作りかえてもいいじゃない。

イケメンの方から言い寄ってきたって事にすれば、すごい! 先輩ってもてるんですねって事になるのだから。

いいじゃない、一日ぐらい。明日には、あれは冗談だった、と一応訂正するつもりでいるんだから。

どうせ、あんな男とは二度と会わない。第一、鼻持ちならない嫌味な奴だったし、充分嫌味なことをされた。いわば、私は合コン被害者だ。その罪の報いとして、合コン加害者の三浦は私のカブを上げるのに少し位貢献すればいい。
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