【あなたと私で創るものがたり】

 ──目が覚めたときには、知らないとこにいた。

「馬鹿もんが。馬鹿もんが──」

 じーちゃんが涙をぽろぽろ落として泣いてる。

 まだ頭がぼうっとしてるけど、じーちゃんの飼い主さんは大丈夫なのかな。

「じーちゃん。飼い主さんは?」

「ああ、無事じゃ。おまえさんのおかげでな」

 あのとき、僕が飛び込んでなかったら、トラックが突っ込んでたくさんの人が危なかったんだって。

 僕の姿を見て、みんなが立ち止まったから、突っ込んできたトラックに跳ねられずに済んだんだって。
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