隣に座っていいですか?
しばらく落ち込んでたら
階段を上がる音がした
またお母さんか?
溜め息してたら
「うぃっす!」
スーツ姿で達也が入って来た。
え?
もう5時になった?
いや
もう6時?
何をやってんだろ私。
「達也」
「話は聞いた」
早いな。
「何を言ったかわからんが、悪気があって言った発言とは田辺さんは思っていない」
理路整然。
「田辺さんはへタレてるけど大人だ。あの人はわかってると思う」
「うん」
「お前が気にすると田辺さんも気にする」
「うん」
「すると桜ちゃんも気にする」
「うん」
「だから気にするな」
両肩をつかまれ
真面目に言われた。
私はもう一度「うん」って答えると、達也は「よし」って笑って私の頭を撫でる。
「就職活動してんのか?」
「ひとつ目星付けてるのある」
「どこ?」
「お酒関係の小売店の事務」
「上手くいけばいいな」
「うん」
「ダメなら嫁に来い」
「ヤダ」
「返事が早すぎる」
立ち上がり達也は笑う。