わたしは彼を殺した、そして彼に殺される〜50years later〜
心って、きっちりと伝わるんだったね。

あのとき…

彼から学んだこと忘れてたよ。

「でも、あんな小さな子を地獄って…」

「わたしには、わかるんです。あの子の中にはまだ悪が残ったまま。火をつけたのも両親に対する完全な殺意でした」

「両親に会えるのを喜んでいたのに?」

「あの子の中に潜む悪が、また殺せるとでも思って笑ったんでしょう」

「なんでそこまでわかるんですか。そんな神さまみたいな…」

「神さまなんて大げさな。わたしは裁判官として悪を見抜いて裁いただけです」

あんなに小さな女の子なのに、悪って…

目の前の相手を睨んだまま、

わたしの怒りは収まらなかった。
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